『論語と算盤』は、2021年の大河ドラマ『青天を衝け』でも注目された渋沢栄一の著書です。
タイトルが少しかたく感じて、長いあいだ積読していた一冊でもありました。
でも、吉沢亮さん演じる渋沢栄一の人物像や、その波乱万丈な人生に惹かれて、思い切って1ページ目を開いてみました。
読み始めると、渋沢栄一という人の体温が伝わってくるようで、毎日少しずつ読むのが楽しみになっていきました。
そんな中で、何度も目が止まり、気づけば繰り返し読み返していた言葉があります。
「人の一生はおもにを負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なく、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つことばかり知りてまくることを知らざれば、害その身に至る。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるにまされり。」
― 『論語と算盤』 人格と修養編
私はふだん、タイパやコスパを重視して物事を考えることが多いです。
それは自分の強みでもあると思う一方で、ときどき言いようのない虚無感を覚えることもありました。
そんなときにこの本を読んで、人との縁や信頼を築くうえで大切なことは、昔も今も大きくは変わらないのかもしれないと感じました。
今の価値観がすべて正しくて、昔の考え方は古いから悪い、と極端に捉えるのは違うのかもしれません。
他人の意見をそのまま鵜呑みにして決めつけるのではなく、自分が実際に経験したことも踏まえながら、俯瞰して考えることの大切さにも気づかされました。
この本を読みながら、
自分の芯はどこにあるのだろう
と何度も考えました。
まだまだ私はぶれますし、迷うことも多いです。
それでも、悩みながら、もがきながら、自分なりの芯を探し続けていきたいと思いました。
『論語と算盤』には、渋沢栄一が大切にしていた考え方が随所に散りばめられていて、どの章を読んでも新しい気づきや学びがあります。
新しい挑戦をするときや、無力感に押しつぶされそうになるときに、
「しゃんとしろ」と背筋を伸ばしてくれるような一冊です。
読書は、いろいろな角度から物事を見るきっかけをくれたり、人生の先輩に相談しているような感覚になれたりするところが、本当に好きです。
それではまた。







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